2026/06/16 17:18

Schlage Sense Pro、iPhoneを「近づくだけで開く鍵」に変える

SchlageのSense Pro Smart Deadboltが、6月29日に米国とカナダで発売されます。見どころは、単にiPhoneやApple Watchで解錠できることではありません。Ultra Widebandで近づく方向や動きを読み、Apple Home Key、Matter over Thread、Aliroをまたいで、玄関の操作を「タップする鍵」から「近づく権限」へ変えようとしている点です。

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Home Keyは、タップから接近判定へ進む

MacRumorsとThe Vergeによると、Schlage Sense Proは6月29日に米国とカナダで発売され、米国価格は399ドル、カナダ価格は549ドルです。Ultra Widebandを使い、対応するiPhoneまたはApple Watchに入ったHome Keyをもとに、利用者の速度、進行方向、動きを計算して解錠します。

Schlage Sense Pro Smart Deadbolt
画像: Schlage / MacRumors

Apple WatchやiPhoneを鍵にする体験は、これまでもHome KeyのNFCタップで実現していました。ただ、Sense Proが示す方向は少し違います。ポケットやバッグから端末を出してタップするのではなく、家へ近づく行為そのものを認証の一部にする。スマートロックのUIは、画面やテンキーよりも、端末の位置と意図を読むセンサーへ寄っています。

Matter over Threadは、鍵をAppleだけのアクセサリにしない

Schlageの公式製品ページは、Sense ProをMatter over Thread対応のスマートデッドボルトとして位置づけています。AppleのHomeページも、HomePodやApple TVをホームハブにするとMatterアクセサリの土台になると説明しています。つまり、この製品はApple Home向けの便利な鍵であると同時に、Matterのスマートホーム部品でもあります。

ここはAppleユーザーにとって地味に重要です。鍵やセキュリティ機器は、照明やスピーカーよりも買い替えサイクルが長く、家族や同居人、賃貸、将来の端末変更に巻き込まれます。Apple Homeで使いやすいことと、Matter経由で他のスマートホーム基盤にも残れることは、玄関のような長く使う場所では同じくらい重要になります。

Aliroが普及すると、玄関のUIはアプリからWalletへ寄る

Connectivity Standards Allianceは、Aliroをスマートフォンやウェアラブルを使ってドアや開口部を解錠するための標準通信プロトコルとして説明しています。The Vergeは、AliroがNFCのタップ解錠とUWBのハンズフリー解錠を標準化し、Apple、Google、Samsungなどのウォレットへ広げる構想だと整理しています。

Sense Proは、Apple Home Keyだけで完結する製品ではなく、Aliro対応のデジタルキーをSamsung WalletやGoogle Walletへ広げる予定も示されています。これが進むと、スマートロックの主役はメーカー別アプリではなく、スマートフォンのWalletとホーム基盤になります。玄関は、パスコードを入力する場所から、端末のローカル認証、UWB、Matter、Walletが重なるインターフェイスへ変わり始めています。

Sense Proで重なる3つの標準
要素役割読者向けの意味
Home Key + UWB対応するiPhoneやApple Watchの接近を使って解錠する鍵を出す、端末をタップする前の段階へ操作が移る
Matter over Threadスマートホーム基盤へ低遅延・低消費電力で接続するApple Homeだけに閉じない玄関デバイスになりやすい
AliroWallet内のデジタルキーをメーカーやOSをまたいで扱う同居人の端末や将来の買い替えに縛られにくくなる

Schlage Sense Proは、米国・カナダ向けの高価なスマートロックというだけなら、Interface Wireで大きく扱うほどではありません。ただし、iPhoneとApple WatchのHome KeyがUWBの接近判定へ進み、Matter over ThreadとAliroが同じ製品に入る点は重要です。家の入口は、アプリを開いて操作するスマートホームから、端末を持って近づくだけで環境が反応するスマートホームへ移る最前線になっています。