2026/06/06 00:13

Chrome、M5 MacBook Proで速度記録更新 効いているのはJavaScriptと描画の地味な改善

GoogleはChromium Blogで、ChromeがM5 MacBook ProとmacOS 26.0.1の組み合わせでSpeedometer 3.1の61点、JetStream 3の469点を記録したと公表しました。数字だけ見ると単なるベンチマーク自慢ですが、中身を読むと、Macでの体感差につながるのはAI機能ではなく、JavaScript、WebAssembly、Blinkの地道な最適化です。

9to5Macの記事画像
画像: 9to5Mac

61点と469点はGoogle発の測定値だが、土台のベンチマークは共有物だ

9to5Macが取り上げた今回の話では、GoogleはSpeedometer 3.1で61点、JetStream 3で469点を記録したと説明しています。いずれもM5 MacBook Pro上のmacOS 26.0.1で測定され、GoogleはSpeedometerが前年から5%、JetStreamが年初比で10%伸びたとしています。

SpeedometerとJetStreamのロゴを示すGoogle公式画像
画像: Google

ここで大事なのは、数値の発表主体はGoogleでも、ベンチマーク自体はGoogle専用ではないことです。BrowserBenchのJetStream 3.0告知では、Apple、Google、Mozillaなどの開発者が共同で更新したスイートだと明記されており、Speedometerも同様にオープンな共同作業として扱われています。

今回公表されたChromeのMac向け指標
指標今回の数値記事内の読み方
Speedometer 3.161Webアプリ応答性の記録更新だとGoogleが説明
JetStream 3469JavaScriptとWebAssembly中心の高負荷処理で年初比10%改善
測定環境M5 MacBook Pro / macOS 26.0.1Apple Silicon世代のMacでの実測として読める

伸びの中身はJavaScriptとWebAssemblyとBlinkの改良にある

Chromium Blogの本稿は、改善の理由をかなり具体的に書いています。JavaScriptでは、async処理や比較処理の高速化、最適化タイミングの見直し、BigInt周辺の手当てが挙げられています。JetStream 3が新しく露出した弱点を洗い出し、それに合わせてV8側を手当てしたという流れです。

9to5Macが引用したSpeedometerスコア推移の画像
画像: 9to5Mac

WebAssemblyでは、SIMD命令やレジスタ割り当て、JavaScriptからWebAssemblyを呼ぶときの変換コスト削減が効いたとされます。さらに描画側のBlinkでは、querySelector()キャッシュ、属性処理の早期打ち切り、HTML解析や文字列コピーの改善、AATタイポグラフィ処理の最適化など、目立たないけれど毎日のページ表示に効く変更が並んでいます。

Macユーザーにとって重要なのは派手な新機能より待ち時間の圧縮だ

Googleは今回の結果を『ユーザーにとって意味のある速さへ直接つながる』と説明しています。もちろん、これはGoogle自身の主張なので、Safariや他ブラウザとの実地比較までこの1本で確定する話ではありません。ただ、測定の舞台がM5 MacBook Proで、改善の中身もDOM探索やテキスト処理のような基本動作に寄っているぶん、Macでの“なんとなく待つ時間”を削る方向であることは読み取りやすいです。

Appleユーザーにとって実用的なのは、ChromeがAIを足したことより、基礎処理をどれだけ磨けるかです。ブラウザは新機能より、ページが開く、入力が返る、重いWebアプリが引っかからない、といった地味な快適さで評価される道具なので、今回のChromium Blogはそこをまっすぐ語っている点に価値があります。

今回の記録更新は、ChromeがMac向けに派手な専用機能を増やした話ではありません。むしろ、JavaScript、WebAssembly、描画エンジンの基礎を地道に磨くことで、M5世代のMac上でもブラウザの待ち時間を少しずつ削っている、という地味で重要な進捗です。