2026/08/20 12:40

Apple、OpenAIの訴訟却下要求に反論 AI端末の営業秘密巡り

Appleは8月19日、OpenAI、io Products、元Apple社員2人を相手取った営業秘密訴訟で、被告側の却下申立てに反対する32ページの書面を提出しました。争点はAI端末開発を巡る情報取得です。裁判所はまだ双方の主張を認定しておらず、審理は10月1日に予定されています。

AppleとOpenAIのロゴを光の亀裂で分けたMacRumorsのイメージ
画像: MacRumors(イメージ)

却下段階でどこまで事実を争えるか

OpenAI側は8月初め、Appleが保護対象となる営業秘密、取得行為、損害を十分に示していないとして訴えの却下を求めました。Appleは今回、被告側がメッセージや外部サイトなど訴状外の材料を持ち込み、別の経緯を組み立てていると反論。却下申立てでは、訴状の内容を事実と仮定した時に請求が成り立つかを先に判断すべきだと主張しています。

Appleは、元社員Chang Liu氏が退社後に認証不具合を使ってネットワーク保管庫へ接続し、ハードウェア関連ファイルを取得したとの従来の主張を維持しました。Liu氏の元上司が別件で質問していたというOpenAI側の説明は、このアクセスを許可した証拠にはならないとしています。

製品仕様ではなく採用と情報管理が争点

元Apple幹部でOpenAIのハードウェア責任者を務めるTang Tan氏については、採用候補者へバッテリー、SiP、ロジックボード、シールドなど本人が携わった部品を持参するよう求めたとの主張を繰り返しました。OpenAI側は、市販製品の部品を使う一般的な面接だったと反論しています。

今回の書面はAppleの主張を確定した判決ではありません。裁判所がまず判断するのは、訴状をこの段階で退けるか、証拠開示へ進めるかです。AI端末の形や発売時期は明らかになっていませんが、OpenAIのハードウェア採用とAppleの情報管理が、製品発表より先に法廷で検証される局面に入りました。

端末の輪郭は、まだ見えません。代わりに浮かぶのは、AIハードウェアをつくる組織が採用した人の経験と、前職の秘密をどこで切り分けるかという境界です。次の節目は10月1日です。