盗難iPhone狙う音声AI詐欺 偽のAppleサポートがパスコード要求
盗難iPhoneの持ち主へAppleサポートを装って電話し、端末のパスコードを聞き出す音声AI詐欺を、セキュリティ企業SOCRadarが確認しました。フィッシング基盤「AnonyMousKIT」の調査では、200件のAI通話と506の関連ドメイン、168の販売ブランドが見つかっています。
1件約10セントで偽Appleサポートを自動化
SOCRadarが回収した記録では、AI通話は2025年8月から2026年5月までに200件あり、179件がブラジル向けでした。5種類の設定済みペルソナが使われ、主役は「AppleサポートのAlice」を名乗るポルトガル語の音声です。200件のAI利用料は合計19.24ドル、1件あたり約9.6セントでした。
音声AIは持ち主の名前やiPhoneの機種を会話へ差し込み、紛失した端末を店舗で保護したと説明します。本人確認を装って4桁または6桁の端末パスコードを聞き、続いてSMSの偽リンクを開かせ、Apple Accountや2ファクタ認証コードを集める流れです。目的はアクティベーションロックを外し、盗難端末を転売できる状態へ戻すことでした。
「見つかった」という電話でもコードを渡さない
AnonyMousKITは電話だけの道具ではありません。盗難端末の情報を一度登録すると、メール、SMS、WhatsApp、録音音声、AI音声の5経路で同じ持ち主を追える仕組みです。SOCRadarは共通コードを使う30のバックエンド設置を確認し、調査最終日の8月10日にも運用が続いていたとしています。日本語のAI通話は確認されておらず、200件の記録だけで日本の被害状況は判断できません。
Appleは、サポートのためにApple Accountのパスワード、端末のパスコード、確認コードを求めることはないと案内しています。Appleを名乗る予期しない電話は切り、受信したリンクではなく設定アプリやApple公式の窓口から確認するのが安全です。紛失時は「探す」で端末を紛失としてマークし、回収できなくてもアクティベーションロックを外さないことが、転売を難しくする防御になります。
音声が自然でも、相手が端末の機種や名前を知っていても、それだけではAppleからの電話だと証明できません。判断基準は声の本物らしさではなく、パスコードや確認コードを求めているかどうかです。
