2026/06/18 20:38

ブラジルのiOS開放、Appleは代替ストアにも「確認画面」と子ども保護を残す

Appleがブラジル向けに、iOS 26.5から代替アプリマーケットプレイス、代替決済、Web上の購入案内を認める新しい条件を公開しました。EUのDMA対応と似た構図に見えますが、Appleの公式説明で目立つのは、開放そのものよりも、Notarization、インストール時の情報シート、未成年向け購入フロー、手数料報告を残す設計です。App Storeの外側が増えても、Appleはインストールと支払いの境界面を完全には手放していません。

Apple DeveloperのiOS記事画像
画像: Apple Developer

ブラジルでは、配布と支払いの選択肢がiOS 26.5から広がる

Apple Developerの6月18日の告知によると、ブラジルの競争当局CADEとの合意を受け、iOS 26.5以降でブラジル向けアプリに新しい選択肢が用意されます。開発者は代替アプリマーケットプレイスでアプリを配布し、代替マーケットを運営し、デジタル商品やサービスの支払いをApple In-App Purchase以外で処理できるようになります。

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画像: Apple Developer

Appleのサポートページでは、App Store内の代替決済、Webブラウザへの購入案内、代替マーケットでの配布、代替マーケット運営、Core Technology Commissionまでまとめて説明されています。つまりこれは、単に支払いボタンが増える話ではなく、ブラジルでiOSアプリの発見、配布、支払い、報告が別の経路を持てるようになる変更です。

Appleが残すのは、インストール前の確認とNotarization

Appleは同時に、代替配布にはマルウェア、詐欺、プライバシー、セキュリティ上のリスクがあると説明しています。そのため、ブラジルでも代替配布アプリにはNotarizationが入り、代替マーケット運営にはAppleの認可プロセスが必要になります。

重要なのは、Notarizationが単なる裏側の審査ではなく、ユーザーがインストール前に見る情報シートにもつながる点です。Appleは、Notarizationの情報がインストールシートに使われ、アプリの開発者、スクリーンショット、機能の概要などを一目で確認できるようにすると説明しています。App Store外の配布でも、ユーザーが最後に判断する画面にはAppleの安全設計が残るわけです。

子どもの購入フローは、代替決済でもAppleのルールに入る

ブラジル向けの説明で目立つもう一つの点は、子ども向け安全です。Appleは、代替決済を使うアプリでも、Kidsカテゴリではアプリ内の代替支払いフローの前に保護者ゲートを置く必要があり、Webサイトへの外部購入案内はできないとしています。

Kidsカテゴリ以外でも、18歳未満のユーザーに代替決済を出す場合は保護者ゲートが必要で、外部Web購入への誘導はできません。Appleは将来のソフトウェアアップデートで、この要件を支える新しいAPIも出すとしています。これは、支払いの自由化がそのまま子ども向け購入導線の自由化になるわけではない、という線引きです。

ブラジル向けiOS変更でAppleが残す管理点
領域開く部分Appleが残す境界
配布代替アプリマーケットプレイスでの配布App Store Connectでの設定、Notarization、マーケット認可
支払い代替決済、外部Web購入案内Apple In-App Purchaseの同時提示、開示シート、手数料報告
子ども向け代替決済を使える余地保護者ゲート、Kidsカテゴリの外部購入案内禁止、18歳未満向け制限
安全確認App Store外のアプリ入手インストールシート、Notarization Review Guidelines、既知マルウェア時の停止

手数料面でも、App Store内の代替決済には21%または10%のApp Store commission、Appleの決済処理には5%、外部Web購入への誘導には15%または10%のstore services commissionが示されています。代替マーケット経由の取引には5%のCore Technology Commissionも設定されます。開放はするが、配布、確認、決済、報告の各層でAppleが管理点を残す。ブラジルの変更は、iOSの『外側』が増えるほど、どこにAppleのインターフェイスとルールが残るのかを見せています。

ブラジルのiOS変更は、App Storeの独占か開放かという二択だけでは読みにくい動きです。ユーザーには別のマーケットや支払い手段が増え、開発者には販売経路が広がる。一方で、AppleはNotarization、インストールシート、保護者ゲート、月次報告、手数料という形で、OS上の信頼と商流の境界を維持します。規制がiOSを開かせても、最後にユーザーが見る画面と子どもが支払う手前の画面は、なおAppleが設計しようとしている。そこが今回の一番大きなインターフェイス上の変化です。